スペースXとテスラ、合併ならビットコイン2万枚統合 マスク氏構想で注目
イーロン・マスク氏が検討する米宇宙開発企業スペースXと電気自動車(EV)大手テスラの合併構想を巡り、両社が保有する暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の行方に市場の関心が集まっている。合併が実現すれば、両社合計で約2万BTC、時価にして約17億ドル(約2600億円)規模の保有分が単一組織に統合される。上場企業としては世界有数の「ビットコイン保有体」が誕生することになる。
公開情報によると、スペースXは2021年からBTCを保有し、現在は約8285枚を管理する。テスラは約1万1509枚を保有しており、両社を合わせると約1万9794枚に達する。これは暗号資産メディアCoinDeskの親会社であるBullish(約2万4300枚)に次ぐ規模であり、単一の企業体が管理する暗号資産としては世界最大級となる。
合併は会計処理やガバナンスにも影響を及ぼす可能性がある。テスラは上場企業として公正価値会計を適用しており、BTCの価格変動が四半期業績に直結する構造にある。一方、非公開企業のスペースXはこれまで財務内容の開示が限定的だった。統合されれば、巨額の暗号資産がもたらす評価損益の変動リスクが、新会社の財務諸表により色濃く反映されることになる。
実際、テスラは2025年第4四半期(10~12月)決算で、デジタル資産に関連して税引き後2億3900万ドルの損失を計上した。BTC価格が一時11万4000ドルから8万ドル台後半まで下落した影響を直接受けた形だ。
スペースXは評価額1兆5000億ドル規模での新規株式公開(IPO)も視野に入れているとされる。合併の有無にかかわらず、機関投資家はデューデリジェンス(資産査定)において、バランスシート上の暗号資産リスクを厳しく精査することになりそうだ。現時点で両社からBTCの売買計画は示されていないが、巨大テック企業の資産としてBTCが深く組み込まれている実態が改めて浮き彫りとなった。