ビットコイン、7万5000ドル割れに警戒感 プット買い急増
暗号資産(仮想通貨)市場でビットコイン(BTC)の下落を見込んだ「プットオプション(売る権利)」の買いが急増している。今週の価格急落を受け、投資家がさらなる値下がりに備えたヘッジ(回避)売りを強めているためだ。デリバティブ市場では、7万5000ドルを権利行使価格とするプットの建玉が、強気派の目標だった10万ドルのコール(買う権利)に匹敵する規模に達している。
ビットコイン価格は今週、週間で約10%下落し、一時7万8000ドルを割り込む9カ月ぶりの安値を付けた。価格急落に伴い、投資家のマインドは急速に冷え込んでいる。世界最大の暗号資産オプション取引所デリバビット(Deribit)のデータによると、7万5000ドルのプットオプションの未決済建玉(オープンインタレスト)は11億5900万ドル(約1700億円)に達した。これは、長らく市場の関心を集めてきた10万ドルのコールオプションの建玉(11億6800万ドル)とほぼ同水準だ。
この動きは、トランプ米大統領の当選直後に見られた強気一辺倒の市場環境からの大きな転換を示唆している。当時は規制緩和への期待から高値圏のコールオプションに資金が集中していたが、相場は10月初旬に12万ドル超でピークを付けた後は下落基調が続いている。足元では7万5000ドルのほか、7万ドルや8万ドルをターゲットにしたプット買いも目立っており、下値を探る展開への警戒が強まっている。
背景には、マクロ経済の不透明感に加え、期待されていた暗号資産関連の法整備の遅れに対する市場の焦燥感がある。トランプ政権による親和的な政策への期待は根強いものの、実効性のある規制枠組みの構築に時間がかかっていることが、投資家の利益確定売りやヘッジ目的のオプション取引を誘発している。市場では、当面は上値の重い展開が続くとの見方が広がっている。