ビットコイン採掘収益、14カ月ぶり低水準 米寒波と価格下落で
暗号資産(仮想通貨)分析会社クリプトクアントのデータによると、ビットコイン(BTC)のマイニング(採掘)収益性が14カ月ぶりの低水準に落ち込んだことが明らかになった。BTC価格の低迷に加え、米国を襲った寒波による施設稼働停止が追い打ちをかけた。採掘コストが市場価格を上回る「逆ザヤ」状態も指摘されており、上場マイニング企業の株価急落や事業転換を招いている。
BTC価格と採掘コストのバランスを示す「マイナー損益持続可能性指数」は「21」まで低下し、2024年11月以来の低水準となった。同社は現在の状況について、マイナーへの報酬が適正水準を大きく下回る「極度の採算割れ」にあると分析する。ネットワーク全体の計算能力を示すハッシュレートも低下傾向にあり、25年9月以来の低水準となっている。
収益悪化の主因は、BTC価格の下落と外部環境の悪化だ。BTC価格は足元で8万3956ドル近辺で推移しており、25年10月に記録した過去最高値(12万6080ドル)から約33%下落した。加えて、先週末に米国東部を襲った大規模な寒波の影響で、主要なマイニング施設が稼働停止や出力抑制を余儀なくされた。これにより、業界全体の日次採掘収益は2800万ドル(約43億円)まで落ち込み、年間最低を記録した。
この苦境は株式市場にも波及している。MARAホールディングスやクリーン・スパーク、ライオット・プラットフォームズなど、主要な上場マイニング企業の株価は過去5営業日で軒並み2桁の下落率を記録した。ケンブリッジ大学のデータによると、現在は市場でBTCを直接購入するよりも、採掘によって入手する方がコストがかかる状態にあるという。
収益性の低下を受け、事業構造の転換を急ぐ動きも出ている。ビットファームズやビットデジタルといった一部の企業は、採算の合わないマイニング事業を縮小し、需要が急増している人工知能(AI)向けの計算資源提供へとビジネスモデルをシフトさせている。